薬での治療の問題点

薬


心の症状を抱えている方々は、心療内科や精神科などで、抗不安薬や精神安定剤、睡眠導入剤を処方され長期間服用されてることが多いです。患者さんの中には、薬である程度は症状が抑えられていても、完全には状態が良くならず、何年も人によっては10年、20年も心療内科などに通院し、薬を飲み続けています。

何種類もの薬を長期間飲んでいれば、肝臓に負担がかかっているのはもちろんですが、薬の副作用ももらっているはずです。

整体師として患者さんを診てると、体の症状だけでなく精神的な症状の中にも、薬の副作用で出ているものがあると感じます。

そのような場合は、いくら体の調子を整え、骨格の歪みを矯正し、内蔵機能の促進を図っても、完全には心身の症状は解消されないことが多いです。症状が解消した場合でも、数日経つと再発する(症状が戻ったと言われます)ケースが多いです。

その原因の一つは、薬で回復力が落ちていることがあると思います。精神面での治療が必要なケースもあるでしょう。カウンセリングを受けられる病院もありますが、実費になるのでかなり費用がかかります。

薬依存をやめるために


パニック障害やうつ症状などメンタル面の不調の方だけでなく、最近は、精神科や心療内科だけでなく、整形外科や内科などに、めまいや肩こりなどの体の症状で来院された人にまで、睡眠薬や精神安定剤や向精神薬を処方されるケースが目立ちます。お客様の話では、向精神薬は止めると禁断症状が出るということです。

整体の施術でも精神的に安定してくると言われるので、依存性の高い薬は使わないに越したことはないと思います。長期間に渡って薬を服用するのは、副作用の問題とともに、肝臓を傷めるリスクが高まります。

薬は症状を緩和したり抑える働きはあっても、根本的に健康にすることはありません。お客様の中には、ウツ状態、ウツ病の人、不安神経症、対人緊張の人などがいますが、ほとんどは、安定剤、睡眠薬など向精神薬を服用されています。

当院への通院の動機は、精神的、心理的症状の解消ではなく、それが原因と考えられる身体的症状の緩和、解消です。

医師が薬を出しすぎるのは問題だと思います。精神安定剤、抗ウツ剤、睡眠導入剤などは、心療内科などを受診すると、必ず処方されます。

それで良くなっている人もいるでしょうが、薬依存がはじまり、最初の量では効かなくなり、量がドンドン増えていく方も少なくないです。

根本的な回復には、薬を絶つ必要があると思います。少なくとも量は減らしていった方がいいと思います。しかし、服用の間隔を2~3日程度開けるだけでも不安感が増してきたり、イライラしてきたりと苦しみや不快感が出てくるので、すぐに元に戻ってしまう人が多いです。

自助グループで(処方箋)薬依存のままでは回復しないと、実体験のある人から言われて、きっぱりと向精神薬を止めたという人の話を聞いたことがあります。その方は、対人緊張がすごくて、人格的な障害があったのですが、今では回復されているようです。

止めた当初はすごく苦しかったそうです。精神安定剤は依存性があるので、離脱症状が出ます。焦燥感でいてもたってもいられないような状態が2ヶ月ほど続いたそうです。それを乗り切るのが辛くて、また飲み始める人が多いのですが、それを乗り切れば楽になり回復するとのことでした。

うつ病や統合失調症などでは、薬が効果を発揮し回復することもありますが、心理的不安定感、神経症、対人緊張や対人恐怖感などの人格障害系の人にとっては、医師が安易に処方する薬によって、逆に症状が固定され酷くなり、薬に依存しないと生活できない状態にさせられていることもあるようです。

抗うつ薬の副作用に自殺

うつ病の治療薬で、原因不明の体調不良にも処方されることがあるのが抗うつ剤です。うつ病を治すと期待される抗うつ剤に、自殺を誘発することがあることをご存知でしたか?

SSRIというグループに属する抗うつ薬のパキシルに対しては、アメリカのFDA(食品医薬品局)から、若年層で自殺のリスクが上がる可能性があると警告されています。

2010年頃ですが、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬など「向精神薬」の飲みすぎが自殺につながっている可能性があるとして、厚生労働省は、日本医師会や精神科病院の団体などに対し、自殺の危険性がある患者には長期、多量に処方しないよう呼び掛ける通知を出しました。

抗うつ剤は、効果がある人には、服用後、一時的に症状が緩和された気分にしてくれますが、それはうつ症状(状態)が緩和された、感じにくくなっただけで、薬で回復に向かい始めたわけではありません。

抗うつ剤は、効果が出るまで1~2週から薬によっては数週間かかる場合もあります。また、抗うつ薬は症状が解消した後も、ある程度の期間(一般的には数ヶ月)、服用を続ける必要があると言われています。理由は、その時点では自覚症状がなくても、脳内の機能は、まだ完全には正常化していないと考えられるからです。抗うつ薬の作用が無くなったら、うつ病が再発しやすくなることがあるからとのことです。

また、再発の確率は、過去の再発回数と比例するようです。過去に再発が何回かあった場合、うつの症状が初めて出た人より、長期間の服用が必要になってきます。

一方、長期服用は薬への依存体質を引き起こし、体にも負担が大きく、心への副作用はもっとハイリスクばケースもあるようです。

抗うつ薬にはうつ病の症状を軽減することはできますが、うつ病の原因になった人間関係など精神的ストレスや問題自体を解消するものではありません。

向精神薬の副作用

中枢神経に作用して、精神の働きに影響を及ぼす薬物の総称で、具体的には鎮静剤、催眠剤、精神安定剤などのことです。服用するためには医師の処方せんが必要です。 *覚せい剤・麻薬・大麻等は向精神薬には含めない。

■鎮静剤
乱用すると、一時的に心地良い気分になりますが、その後、舌がもつれる、足元がふらつくなどの症状が現れます。多量に摂取すると死に至ることもあります。依存性があり、使用し続けると、最初の量では効果が感じられなくなります。薬の量を増やした後、突然使用をやめると、不安、不眠、痙攣(けいれん)などの禁断症状を引き起こします。

■催眠剤

乱用すると、眠ることなく普段通り行動できます。しかし薬が効いている間の出来事は記憶には残らず、夢の中にいるような状態です。過度に服用すると、脳の呼吸中枢を破壊して死に至ることもあります。酒(アルコール)と一緒に服用すると、強烈な抑制作用が起こり、昏睡や死亡の危険性があります。毎日適量を服用していても、長期間服用続けていると、精神的な依存状態になります。睡眠薬を飲まないと眠れないという思いが強くなり、実際にもそうなってしまいます。

不眠症は、生活習慣の改善などで改善できる症状です。薬だけに頼るのは止めましょう。

■精神安定剤

精神安定剤を必要としない普通の人が乱用すると、一瞬にして何も考えることができなくなるようなショック状態、言語不能、文字が書けない、などの極端な症状が現れることがあり、全身の筋肉が正常に動かなくなってしまうこともあります。抗うつ剤は、一時的に何でもきるような万能感が起きますが、副作用も強烈で、不眠、食欲不振、興奮、イライラ、情緒不安、性器萎縮などが起こります。耐性も強く、すぐに最初の量では効果が得られなくなり、薬物依存が始まります。