快眠のための枕の選び方

正しい枕で熟睡

快眠イメージ
睡眠は健康回復と維持の基本


質の高い睡眠(熟睡)は、健康の要です。安眠するための必要条件である枕や寝具の正しい選び方についてご説明します。

寝つきが悪い、朝起きたとき首が痛んだり肩が凝ってる感じがする、疲労感が抜けないなど、睡眠の時間は足りていても質が良くない人は少なくないと、整体師という仕事をしていると感じることです。

睡眠の質が良くない原因はいくつかありますが、枕が原因だと考える人は少ないようです。首や肩にかけてひどく凝っていたり、痛みがある人は多いですが、枕の高さが合ってない場合があります。枕を低く柔らかいものに替えただけで、痛みが軽くなったり、解消したという話を聞いたことがあります。

自分の体型や首の形状などに合った枕に替えるだけで、寝つきが良くなったり、寝起きの体調が良くなったり、首肩が楽になることは珍しくありません。

「でも、自分に合った枕とはどんな枕?」と思われるでしょう。そこで、自分に合った枕選びのポイントをご紹介します。

良い枕の基本

枕の高さ

枕選びで一番重要なのは、高さです。枕の高さが合わないと、頚椎(首)が無理な角度で曲げられたり捻られたりして、その影響で、背骨全体(胸椎、腰椎)と骨盤にまで歪み、脊椎から枝分かれしている腕などの神経にまで悪影響が出ることがあります。その症状は、肩コリ、頭痛をはじめとして、手のしびれ、腰痛、不眠、いびき、睡眠時の無呼吸など様々です。

でも、どんなものが、良く眠れて疲れが取れる(少なくとも首や肩が疲れない)枕なのか?意外に知らない人が多いように思います。枕の情報はイロイロありますから

肩口(首と肩の付け根)から頭の角度が(横から見て)5~15度になる高さ。

横向きに寝たとき、体の中心線(正中線)と首のラインが直線になる高さの枕。

枕の高さ(横向き)

これだけです。 なぜか?

人は寝ているときに、必ず寝返りを打ちます。最初仰向けで寝ていても、寝返りを打って、横向きになっている時間帯はあります。

首から頭のラインが5~15度になる高さだと、横向きになったときに、頭と体のラインがまっすぐになり、首が曲がらないので、首に負担がかからないからです。

自分に合った枕の作り方

(使い込んだ)固めの座布団に、タオルケットかバスタオルを畳んで置き、仰向けになったときに首が一番楽に感じる高さに(タオルの枚数、畳み方を)調整する。

これだけです。

※ただし、うつ伏せで寝る場合は、私の体感的には、枕はない方が首は楽です。

これで、首痛や肩こりが治ることもありますので、寝つきの悪い人、寝起きに首や肩が疲れていたり、寝違えが多い人は、ぜひ、試してみてください。

市販の枕を選ぶ場合の注意点

市販の枕を使う場合は、やや低めの枕を選びます。家で使ってみて低いを感じたときは、大きいバスタオルなどを畳んで枕の上に置き高さを調節します。

枕の形は平らで幅が広いものがいいです。寝返りを打ったとき、頭が枕から外れないからです。幅が狭い小さい枕だと、寝返りを打つたびに枕から頭が落ちないよう、無意識に体勢を調整するため、眠りが浅くなるからです。60センチ前後が理想的です。平らな枕のほうが寝返りが打ちやすいです。頭が載る部分が凹んでいる枕がありますが、仰向け寝の姿勢では快適でも、段差があるため寝返りがしづらくなるのが難点です。

その中身の素材にも注意を払いましょう。素材によっては(特に化学的な製造過程で作られた素材)、体に合わないものもあるようです。頭に当ててみて、何となくいい感じのもの、抵抗感の無いもの、体から力が出てくるような感じがするものなら、大丈夫でしょう。あまり柔らかい素材はお勧めしません。

寝返りは大切な自己整体

人は寝ている間に何回も寝返りを打ちますが、これは、寝返りを打つことで、一定箇所へ体重がかかりのを防ぎ、体への負担を軽減するためと、昼間の活動時間中に狂った骨格を、修正する意味もあるようです。体は無意識に、自力で整体をやっているというわけです。

自由に寝返りが打てない状態だと、自力無意識整体が効果的に行われなくなり、体の疲れも十分に取れないだけでなく、体の歪みが蓄積していく可能性もあるからです。

敷き布団(マット、かけ布団)の選び方

整体的には、敷布団は固めがいいとされています。腰が沈み込むほど柔らかく厚みのあるマットレスやマットなどだと、仰向けに寝た場合、腰に負担がかかり、睡眠中に腰痛が起こるようなこともあります。また、あまりに体が沈み込むほど柔らかいと、寝返りが打ちづらくなります。

枕は高すぎるよりやや低めの物を買い、バスタオルなどで高さを調整するといいでしょう。敷き布団(マット)に寝ると、身体が沈みこむので、枕は実際の高さよりさらに低くなるので、買うときはその点も考慮して買うといいでしょう。

掛け布団は、多少高いですができれば羽毛が軽くて温かいのでお勧めします。羽毛の掛け布団は軽く、かけているのがわからないほどですが、それでも十分な保温力があり、寒い冬場でも安眠できます。

最近はベッドの方が多いようですが、日本式の布団もいいと思います。布団の利点は部屋の昼夜で別の用途で使えるということと、寝相の悪い人にとっては、安心して寝返りが打てるという利点があります。

ベッドを壁際、しかも角(コーナー)にぴったり付けて置いている方も多いと思いますが、部屋のスペースの問題が無ければ、ある程度は壁から離して置いた方が手足をのびのび伸ばして寝返りも自由にうてるので安眠できるでしょう。

※参考文献 『枕革命 ひと晩で体が変わる』(山田朱織 著)

枕の選び方